築年数が経ち、そろそろ屋上の防水塗装について考え始めている、建物のオーナーや管理者の方も多いのではないでしょうか。
屋上防水塗装は、建物を雨風から守る大切な役割を担っています。
しかし、適切なメンテナンスを行わなければ、劣化が進み、雨漏りなどの深刻な問題を引き起こす可能性も。
この記事では、屋上防水塗装の種類や選び方、劣化症状の見分け方、適切な施工方法と費用について解説することで、読者が安心して適切な判断ができるようにサポートします。
□屋上防水塗装の種類と選び方
屋上防水塗装には、大きく分けて塗膜防水、シート防水、アスファルト防水の3種類があります。
それぞれの防水の種類の特徴を理解し、自分の建物に適した防水を選べるように、詳しく解説していきます。
1: 塗膜防水
塗膜防水は、液状の塗料をローラーなどで下地に塗布する施工法です。
使用する材料によってFRP防水・ウレタン防水・アクリルゴム防水に分けられます。
・FRP防水
ガラス繊維で強化したプラスチックを塗布するため、塗膜防水の中でも耐久性と防水性が抜群です。
軽量素材なため施工が1日で終わることも。
耐用年数は15年ほどです。
・ウレタン防水
屋上防水の代表的な施工法で、リフォームの際に用いられることも多いです。
ウレタンが柔らかいためトップコートを5年おきに塗り替える必要があります。
・アクリルゴム防水
伸縮性に優れている素材で、耐用年数は10年ほど。
特に地震への耐久性に優れています。
2: シート防水
シート防水は、防水性のシートを貼る施工法です。
使うシートは塩ビ製・加硫ゴム製などがあり、どの屋上防水業者が貼っても仕上がりの良さにばらつきがないのが特徴です。
耐用年数は10~15年です。
3: アスファルト防水
アスファルト防水は熱工法・トーチ工法・常温工法の3種類があります。
ほかの施工法と比べて費用は高めですが、耐用年数が15~25年と長いため、メンテナンスが少なくて済むメリットがあります。
□屋上防水の劣化症状とその原因
屋上防水の劣化症状を放置すると、雨漏りなどの深刻な問題につながります。
早期発見・早期対策が重要です。
ここでは、屋上防水の代表的な劣化症状とその原因、対策について解説します。
1: ひび割れ
防水層の上の押さえコンクリートの表面や、防水層そのものにひびが入る症状です。
原因は、乾燥収縮、凍結融解、中性化などが挙げられます。
ひび割れは、放置すると雨水が浸入し、建物の腐食やカビ発生の原因となるため、早急に補修が必要です。
2: 膨れ
シート防水やアスファルト防水の継ぎ目、ウレタン防水の塗膜に起こる症状です。
原因は湿気で、設置から時間が経っているほど症状がよく出るとされています。
膨れは、防水層の剥がれや雨漏りにつながるため、早めの対策が必要です。
3: 水溜り
屋上の床が歪んだり、施工不良で起こったりする水溜りは、防水層を傷め、雨漏りを起こす原因になります。
水溜りは、放置すると防水層の劣化を促進するため、早急に排水対策が必要です。
4: 雨漏り
防水層の劣化症状を放置すると起こるのが、雨漏りです。
雨漏りは、建物や設備を腐らせることもあるので、放置するのは危険です。
5: 雑草が生える
排水溝周りや目地に土が溜まると、雑草が生えてくることがあります。
雑草は、防水層の劣化を促進するため、定期的な清掃が必要です。
□まとめ
この記事では、屋上防水塗装の種類や選び方、劣化症状の見分け方、適切な施工方法について解説しました。
屋上防水塗装は、建物を雨風から守る大切な役割を担っています。
適切なメンテナンスを行うことで、建物の寿命を延ばし、快適な生活空間を維持することができます。
この記事を参考に、自分の建物に適した防水塗装を選び、適切なメンテナンスを行いましょう。